振袖ブログ
千葉県柏市、松戸市、印西市、我孫子、流山市、野田市をはじめとする千葉県北西部エリアのご成人のお支度をお手伝いさせていただいております、すずのき柏店です。
お久しぶりです。すずのき柏店の相沢です。
この頃は外食を避けて、お弁当やパン屋さんのパンを買って食べることを意識しております。
柏に転勤をして半年近くになりますが、この辺りには美味しいパン屋さんが多いことに気づきました。パン好きの私には非常に嬉しい情報です。
先日も、先輩と松戸のカレーパンで有名なお店のサンドイッチをいただきました。にんじんのサンドイッチはクチコミ通りの絶品です。

さて、少しずつですが日常を取り戻してきたかのように見えた矢先のコロナ第2波の不安…ワイドショーから目が離せない日々はまだしばらく続きそうですね。
私たちの日常にも直結するこの問題は、我々呉服業界の要である着物の産地にも多大な影響を与えています。
今回はその数ある産地の中のひとつ、丹後(たんご)の現状と私たちにできる取り組みをご紹介します。
目次
丹後(たんご)は現在の京都府北部のエリアを示します。
古来〝うらにし〟と呼ばれる季節風の影響で「弁当忘れても傘忘れるな」と言い継がれるほど雨や雪の多い湿潤な気候でした。

この特殊な気候は、乾燥すると糸が切れやすくなる絹織物の生産に適していたのです。
内陸部では少なくとも奈良時代から絹の生産が行われており、織物業は農業とともに、長く丹後の人々の生活を支えてきました。
丹後ちりめんは、この丹後地方特有の撚糸技術を用いた後染め絹織物であり、広義では丹後地方の絹織物全般の代名詞です。
発祥は、京都府北部・丹後地方の峰山、及び、加悦谷地域において、1720年~1722年(享保5~7年)にかけて創織された絹織物です。
21世紀初頭において日本国内最大のシェアを持つ絹織物とされています。
京の西陣のお召ちりめんを原形とするも、独自の発展を遂げ、明治期に導入したジャカード織機による紋ちりめんが主流となりました。

私共が販売している振袖や黒紋付をはじめ、多くの着物の生地がこの丹後ちりめんです。

現在、丹後には設備の老朽化と、後継者不足という大きな課題があります。
丹後地域の織機の大部分は、使用年数が40年以上に及び、破損した部品は、使用していない織機から補ってしのいでいる現状なのです。
後継者の不足はさらに深刻で、丹後地方には2016年時点で800社以上の織物製造企業がありましたが、その約9割で後継者がいませんでした。
職人の平均年齢は65歳を超えており、技術継承が危ぶまれる段階に達しています。
そして、それらの問題に追い討ちをかけたのが今回の新型コロナウイルスの感染拡大です。
世界中の経済に影響を及ぼした新型コロナウイルスは、我々呉服業界にも大きな打撃を与えました。

需要の低下というダメージを最も受けているのが、着物の産地です。
丹後も例外ではなく、消費者からの注文が入らない以上は新たな絹織物を作ることが叶いません。
絹織物が作れないということは、産地の織子さんたちの仕事が失われているということです。
300年止まることのなかった丹後の織機に、今未曾有の危機が訪れています。

私共(株)すずのきは、何よりも着物の産地で染色に携わっている織子さんを大切に考えています。
なぜなら、私共が〝生業(なりわい)〟とし、お客様と共に楽しんでいる着物を制作するのは産地の方々だからです。
彼らが安心して着物作りができる環境を守ることが、私共の使命であると心得ております。
「着物を通して、大切なお客様との絆づくりをしていくこと」
私たちの想いと、その想いに共感していただけるお客様の声をできるだけたくさん集めて、産地の方々に届けることを決めました。
どのように届けるかというと…

このように、メッセージを集めて産地に送ります。
写真は、すずのき柏店のスタッフ一同からのメッセージです。
そしてお客様の声を集めるには小さな色紙では足りない…というこでこちら。

大きなボードを作りました。
せっかくなら、織子さんたちが一生懸命織ってくださった生地に触れていただいている様子も届けたいと思い、許可を頂いたお客様にはチェキ写真を撮影させていただいております。
「え?こんなこと?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、想像してみてください。
ご自身が懸命に作った手料理に「美味しかった!」という一言を食べた人が伝えてくれたら…
仕事でコツコツと努力していたことを誰かに「頑張ってるね!」と褒めてもらえたら…
嬉しいと思いませんか?
「ありがとう」「お疲れ様」「頑張れ」「役に立っているよ」…
そんな何気なく、温かい言葉は人を元気付けます。
当然、消費をすることが1番力になれることですが、それだけが全てではないのです。
丹後の産地から遠く離れたこの柏市から、多くの応援の声を集めて届けられたらと思います。
ご協力いただける皆様には、ぜひお店に足を運んでいただけましたら幸いです。


p.s
余談ですが、お店では現在丹後ちりめん創業300周年記念のキャンペーン(丹後はこのような社会情勢の最中、なんと300周年を迎えました!!)も開催中です。

産地の織子さんたちが腕によりをかけた10種類のちりめんを展示しております。
温故知新、古代ちりめんから最新技術を駆使した新作まで実際にお手に触れていただけるまたとないチャンスです。
1年以上前から産地と共に企画、準備していたこちらのキャンペーンは、お客様の声と産地、私共の熱意によって実現することができました。
この夏は〝すずのきの白生地キャンペーン(※1)〟で更に呉服屋業界を盛り上げていきたい所存です。

※1…(株)すずのきが大切にする3つの商品のうちのひとつ、白生地(しろきじ)。白生地とは、染める前の生地のこと。この生地を自分の好きな色に染めてオリジナルの色無地を作るキャンペーンを〝白生地キャンペーン〟とし、毎年多くのお客様にご利用いただいております。近年、クチコミでご来店いただくケースも増えている人気のキャンペーンです。

ただ今すずのき柏店では、売り場にお入りいただけるお客様の数を制限させていただいております。
事前のご来店予約が必要となりますのでご了承ください。
また、試着に使われた衿や足袋は使用毎に洗濯除菌をし、1件接客毎にフィッティングルーム・テーブル・イスの除菌を徹底しております。
柏マルイにお越しの際には、ご安心してお立ち寄りくださいませ。
すずのき柏店は柏マルイの5階、エスカレーターを上がって右手の並びにございます。
お店選びで迷われている方はもちろん、着物に全く興味はないけどいずれは必要なことなので話だけでも聞いておきたいという方は、ぜひご予約いただいた上でご相談ください。
メール、またはお電話でのお問い合わせをお待ちしております。
TEL:04-7163-8333
MAIL:メッセージフォームはこちら
お久しぶりです。すずのき柏店の相沢です。
この頃は外食を避けて、お弁当やパン屋さんのパンを買って食べることを意識しております。
柏に転勤をして半年近くになりますが、この辺りには美味しいパン屋さんが多いことに気づきました。パン好きの私には非常に嬉しい情報です。
先日も、先輩と松戸のカレーパンで有名なお店のサンドイッチをいただきました。にんじんのサンドイッチはクチコミ通りの絶品です。

さて、少しずつですが日常を取り戻してきたかのように見えた矢先のコロナ第2波の不安…ワイドショーから目が離せない日々はまだしばらく続きそうですね。
私たちの日常にも直結するこの問題は、我々呉服業界の要である着物の産地にも多大な影響を与えています。
今回はその数ある産地の中のひとつ、丹後(たんご)の現状と私たちにできる取り組みをご紹介します。
目次
1.丹後ちりめんとは
2.丹後の現状
3.私たちにできること
1.丹後ちりめんとは
丹後(たんご)は現在の京都府北部のエリアを示します。
古来〝うらにし〟と呼ばれる季節風の影響で「弁当忘れても傘忘れるな」と言い継がれるほど雨や雪の多い湿潤な気候でした。

この特殊な気候は、乾燥すると糸が切れやすくなる絹織物の生産に適していたのです。
内陸部では少なくとも奈良時代から絹の生産が行われており、織物業は農業とともに、長く丹後の人々の生活を支えてきました。
丹後ちりめんは、この丹後地方特有の撚糸技術を用いた後染め絹織物であり、広義では丹後地方の絹織物全般の代名詞です。
発祥は、京都府北部・丹後地方の峰山、及び、加悦谷地域において、1720年~1722年(享保5~7年)にかけて創織された絹織物です。
21世紀初頭において日本国内最大のシェアを持つ絹織物とされています。
京の西陣のお召ちりめんを原形とするも、独自の発展を遂げ、明治期に導入したジャカード織機による紋ちりめんが主流となりました。

私共が販売している振袖や黒紋付をはじめ、多くの着物の生地がこの丹後ちりめんです。

2.丹後の現状
現在、丹後には設備の老朽化と、後継者不足という大きな課題があります。
丹後地域の織機の大部分は、使用年数が40年以上に及び、破損した部品は、使用していない織機から補ってしのいでいる現状なのです。
後継者の不足はさらに深刻で、丹後地方には2016年時点で800社以上の織物製造企業がありましたが、その約9割で後継者がいませんでした。
職人の平均年齢は65歳を超えており、技術継承が危ぶまれる段階に達しています。
そして、それらの問題に追い討ちをかけたのが今回の新型コロナウイルスの感染拡大です。
世界中の経済に影響を及ぼした新型コロナウイルスは、我々呉服業界にも大きな打撃を与えました。

需要の低下というダメージを最も受けているのが、着物の産地です。
丹後も例外ではなく、消費者からの注文が入らない以上は新たな絹織物を作ることが叶いません。
絹織物が作れないということは、産地の織子さんたちの仕事が失われているということです。
300年止まることのなかった丹後の織機に、今未曾有の危機が訪れています。
3.私たちにできること

私共(株)すずのきは、何よりも着物の産地で染色に携わっている織子さんを大切に考えています。
なぜなら、私共が〝生業(なりわい)〟とし、お客様と共に楽しんでいる着物を制作するのは産地の方々だからです。
彼らが安心して着物作りができる環境を守ることが、私共の使命であると心得ております。
「着物を通して、大切なお客様との絆づくりをしていくこと」
私たちの想いと、その想いに共感していただけるお客様の声をできるだけたくさん集めて、産地の方々に届けることを決めました。
どのように届けるかというと…

このように、メッセージを集めて産地に送ります。
写真は、すずのき柏店のスタッフ一同からのメッセージです。
そしてお客様の声を集めるには小さな色紙では足りない…というこでこちら。

大きなボードを作りました。
せっかくなら、織子さんたちが一生懸命織ってくださった生地に触れていただいている様子も届けたいと思い、許可を頂いたお客様にはチェキ写真を撮影させていただいております。
「え?こんなこと?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、想像してみてください。
ご自身が懸命に作った手料理に「美味しかった!」という一言を食べた人が伝えてくれたら…
仕事でコツコツと努力していたことを誰かに「頑張ってるね!」と褒めてもらえたら…
嬉しいと思いませんか?
「ありがとう」「お疲れ様」「頑張れ」「役に立っているよ」…
そんな何気なく、温かい言葉は人を元気付けます。
当然、消費をすることが1番力になれることですが、それだけが全てではないのです。
丹後の産地から遠く離れたこの柏市から、多くの応援の声を集めて届けられたらと思います。
ご協力いただける皆様には、ぜひお店に足を運んでいただけましたら幸いです。


p.s
余談ですが、お店では現在丹後ちりめん創業300周年記念のキャンペーン(丹後はこのような社会情勢の最中、なんと300周年を迎えました!!)も開催中です。

産地の織子さんたちが腕によりをかけた10種類のちりめんを展示しております。
温故知新、古代ちりめんから最新技術を駆使した新作まで実際にお手に触れていただけるまたとないチャンスです。
1年以上前から産地と共に企画、準備していたこちらのキャンペーンは、お客様の声と産地、私共の熱意によって実現することができました。
この夏は〝すずのきの白生地キャンペーン(※1)〟で更に呉服屋業界を盛り上げていきたい所存です。

※1…(株)すずのきが大切にする3つの商品のうちのひとつ、白生地(しろきじ)。白生地とは、染める前の生地のこと。この生地を自分の好きな色に染めてオリジナルの色無地を作るキャンペーンを〝白生地キャンペーン〟とし、毎年多くのお客様にご利用いただいております。近年、クチコミでご来店いただくケースも増えている人気のキャンペーンです。

ただ今すずのき柏店では、売り場にお入りいただけるお客様の数を制限させていただいております。
事前のご来店予約が必要となりますのでご了承ください。
また、試着に使われた衿や足袋は使用毎に洗濯除菌をし、1件接客毎にフィッティングルーム・テーブル・イスの除菌を徹底しております。
柏マルイにお越しの際には、ご安心してお立ち寄りくださいませ。
すずのき柏店は柏マルイの5階、エスカレーターを上がって右手の並びにございます。
お店選びで迷われている方はもちろん、着物に全く興味はないけどいずれは必要なことなので話だけでも聞いておきたいという方は、ぜひご予約いただいた上でご相談ください。
メール、またはお電話でのお問い合わせをお待ちしております。
TEL:04-7163-8333
MAIL:メッセージフォームはこちら
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