振袖ブログ
振袖のお下見でよくある質問のひとつに「赤の振袖を着る人は多いですか?」というものがありますが、一般的に振袖の赤色が定番とされるのには理由があります。
日本における赤色は、古来よりお祝い・魔除け・格式の象徴として重要視されてきました。
振袖は19歳の厄除けとして用意されることがあり、成人を迎えるお祝いと、厄除け、第一礼装としての格式を考えた場合に赤色が選ばれることが多かったのです。
ここではそんな赤色について、日本の伝統色としての側面と、コーディネートの側面から掘り下げていきます。
目次
1.日本の伝統色としての赤色
2.赤色の振袖のメリット
3.赤色の振袖のデメリット
4.パーソナルカラーで分類する
5.ブルベorイエベ おすすめコーデ
6.さいごに
日本の伝統色としての赤色
日本文化において赤は単なる色彩ではなく、文化・歴史・心理的効果を兼ね備えた特別な色です。
伝統色としては、紅色、真紅、臙脂色、朱色、紅緋色、紅梅色などがあり、それぞれ微妙な色味や明るさの違いで意味合いや用途が異なります。
振袖にも使われるこれらの伝統色について、まずはご紹介しましょう。
1.紅色(べにいろ)
「紅色」は、日本の伝統色のひとつで、鮮やかで深みのある赤色を指します。
やや黄みを含ん朱色よりも深く、真紅よりは明るい、やや黄みを含んだ色です。
「紅(べに)」は植物の 紅花(べにばな)から採れる色素を指し、古くから染料として使われてきました。特に平安時代以降、位の高い女性の装束や化粧に用いられた格式ある色です。
華やかさ、女性らしさ、情熱を表す色として用いられ、口紅(紅)という言葉の由来にもなっています。
2.真紅(しんく)
紅色よりも暗く、やや青みを含んだ深い赤。英語でいえば「クリムゾン(Crimson)」に近い色です。
「真(まこと)の紅」という意味で、紅色の中でも特に純粋で濃い赤を表す言葉です。
鮮やかさよりも重厚感が強い色味となっています。
歴史的には、西洋から「クリムゾン」という赤が入ってきた際に「真紅」と訳されることも多く、近代文学や芸術作品の中では「情熱の赤」としてよく使われました。
3.臙脂色(えんじいろ)
「臙脂色(えんじいろ)」は、暗みを帯びた深い赤色です。
紅色や真紅に比べて、さらに暗く、やや紫がかった深紅で、ワインレッドやボルドーに近い色味です。
「臙脂(えんじ)」は、もともとインドから伝わった赤色の顔料(ベニガラや紅花の色素を原料とした)に由来します。
漢字の「臙」は「紅色の顔料」、「脂」は「脂肪に溶かした染料」を意味します。
落ち着き、重厚感、格調の高さを表す色。派手さを抑えた深紅なので、上品で大人っぽい印象を与えます。
4.朱色(しゅいろ)
「朱色(しゅいろ)」は、赤とオレンジの中間にある鮮やかな赤色を指します。
紅色より軽やかで、真紅や臙脂よりずっと明るい色です。
「朱」は硫化水銀(辰砂:しんしゃ)から作られた赤色の顔料のことです。
古代から顔料や染料に使われ、神社の鳥居や朱塗りの器などに多く用いられてきました。
生命力・活力・魔除け。強く目立つ色のため、神聖さや権威を象徴する色としても扱われています。
5.紅緋色(べにひいろ)
紅緋色(べにひいろ)とは、紅(べに)よりもさらに強烈で、やや黄みを含む鮮やかな赤です。
「緋(ひ)」はもともと「火」に通じ、燃える炎のように鮮やかな赤を表す言葉です。
紅と緋を重ねた「紅緋」は、より一層強い赤色の意味になります。
力強さ、情熱、華やかさを感じさせる色で、
優美というよりは「勢い」のある鮮やかさが特徴です。
奈良時代から貴族の装束や仏具の彩色などに用いられてきました。
特に「緋色」は位階の色にも使われ、格式のある赤として位置づけられています。
6.紅梅色(こうばいいろ)
紅梅色(こうばいいろ)とは、早春に咲く紅梅の花のような、明るく華やかな紅色系の色です。
「紅梅」とは、紅色の花を咲かせる梅の品種のことで、その花の色から名づけられました。
桜色ほど淡くはなく、桃色よりも落ち着きがあり、春を告げる清らかな華やぎを感じさせる色です。
日本的な気品と女性らしいやさしさを象徴する、可憐で愛らしい色といえます。
赤い振袖を着るメリット
- 華やかさと存在感
赤は目を引く色なので、成人式や結婚式などの場で一番目立つことができます。写真映えも抜群で、特別な日を華やかに演出できます。
- 伝統的で格式がある
赤は古くからお祝いの色として日本文化に定着しており、晴れの日に着る振袖として最も伝統的な色の一つです。格式のある印象を与えられます。
- 顔色を明るく見せる
赤は血色を良く見せる効果があります。特にイエベ肌の方は、肌を健康的で明るく見せることができます。
- コーディネートがしやすい
赤は帯や小物の色との相性が幅広く、ゴールド、白、黒、ピンクなど様々な色を組み合わせやすいです。これにより、華やかさの強弱を調整できます。
- 若々しく元気な印象
赤は活発さや情熱を感じさせる色なので、若々しく、エネルギッシュな印象を与えたいときにぴったりです。
赤い振袖を着るデメリット
赤い振袖は華やかでお祝い感のある色ですが、デメリットもいくつかあります。整理すると次の通りです。
- 派手な印象になりやすい
赤は非常に目立つ色なので、写真や式場では注目を集めます。そのため、控えめにしたい場合や落ち着いた雰囲気を出したい人には向きません。
- コーディネートの自由度がやや限定される
赤の存在感が強いため、帯や小物も強い色やアクセントを加えすぎると喧嘩してしまうことがあります。コーディネートの際には全体の調和を意識する必要があります。
- 肌色との相性が重要
ブルベ肌の場合、黄み寄りの赤だと肌がくすんで見えることがあります。
イエベ肌の場合、青み寄りの赤だと顔色が沈んで見えることがあります。
つまり、赤のトーン選びを間違えると、せっかくの振袖も肌映りが悪くなるリスクがあります。
- 長く着たい場合には飽きが来やすい
赤は強い印象の色なので、何年も同じ振袖を着ると「派手すぎる」「印象が強すぎる」と感じる人もいます。
- 年齢を重ねると着にくい
成人式や卒業式で着た振袖をその先も結婚式などで繰り返し着ることができますが、赤色の振袖の場合は、その華やかさが故に歳を重ねると派手すぎる印象になりやすく、着にくくなります。
パーソナルカラーで分類する
今回ご紹介した日本の伝統色の赤を「ブルベ(ブルーベース)」と「イエベ(イエローベース)」に分けると、以下のようになります。
色味の傾向と明るさを基準にして分類しました。
ブルベ(青み寄りの赤)
臙脂(えんじ):赤紫寄りで落ち着いた深みのある赤
真紅(しんく):純粋な赤で青みを感じる場合が多い
紅梅色(こうばいいろ):ピンク寄りで柔らかく青みを帯びる
イエベ(黄み寄りの赤)
朱(しゅ):オレンジ寄りで温かみのある赤
紅(くれない):やや黄み寄りの赤(明るさによっては中間)
紅緋(べにひ):明るく鮮やかで黄みを帯びた赤
青み寄りは「落ち着き・清楚・上品」な印象になりやすく、黄み寄りは「暖かさ・華やかさ・元気」な印象になりやすい 傾向にあるといえます。
振袖でコーディネートする場合には、柄の内容や、帯、小物の選び方で印象を変えることが可能です。
ブルベorイエベ おすすめコーデ
ブルベ(サマー・ウィンター)向け赤振袖コーデ
振袖
- 柄:白やシルバー系の花柄や幾何学模様。直線や菱形を取り入れるとシャープな印象
帯
- 色:シルバー、ネイビー、黒
- 帯結び:立て矢結びや貝の口結びで直線的に
- 帯揚げ・帯締め:白や薄紫でアクセント
小物
- 草履・バッグ:黒やシルバーで統一
- 帯飾り・髪飾り:メタリック系、パール控えめで洗練された印象
髪型
- 前髪すっきり、低めのシニヨン
- 髪飾りは細長い簪や小ぶりの花飾りでシンプルに
イエベ(スプリング・オータム)向け赤振袖コーデ
振袖
- 柄:金や黄み系の花・葉モチーフ、直線を少し加えるとモダンでかっこいい
帯
- 色:ゴールド、キャメル、ブラウン
- 帯結び:立て矢結びや貝の口結びでスッキリ
- 帯揚げ・帯締め:赤やオレンジ系でアクセント
小物
- 草履・バッグ:ゴールド、ブラウン系
- 帯飾り・髪飾り:ウッド調や金属感のあるものを控えめに
髪型
- 前髪すっきり、低めのまとめ髪
- 髪飾りは朱色やゴールド系の簪で振袖の温かみと調和
ここでご紹介したコーディネートはあくまで一例ですので、必ずこうでなくてならないというものではありません。
自分にぴったりのスタイリングが気になる方は、ぜひ店舗へ足を運んでみてください。
さいごに
振袖の色の中でも特に根強い人気のある赤色。
日本の伝統的な赤色には、紅色・真紅・臙脂色・朱色・紅緋色・紅梅色など、歴史や格式のある色があります。
衣服として身につける場合には色味や明るさによってブルベ向きとイエベ向きの色味があるので、肌色に合わせて色を選ぶことが重要です。
赤い振袖は華やかで存在感があり、成人式や結婚式など特別な場で写真映えするだけでなく、血色を良く見せたり、若々しく元気な印象を与えたりできるメリットがあります。
また、日本文化における伝統色として格式やお祝い感も強く、帯や小物とのコーディネートもしやすいのが特徴です。
一方で、コーディネートがまとまっていないと派手な印象になりやすく、肌色との相性や色のトーン選びを誤るとくすんで見えることがありますので、ご試着の際にはそう言った店に留意してみると良いでしょう。
振袖のコーディネートでは、ブルベなら臙脂・真紅・紅梅などの青み寄りの赤でクールかつ上品に、イエベなら朱・紅・紅緋などの黄み寄りの赤で温かく華やかに見せることができます。
帯や小物、髪型を工夫することで、より洗練された印象に。
振袖のコーディネートについて詳しく知りたい方は、ぜひお近くのすずのき店舗までお尋ねください。
パーソナルカラー診断や振袖の色選びをするにあたって最も適したイベントはこちら↓
日本最大級の祭典
振袖を見るならここがおすすめ!!
日本最大級の振袖の祭典が【きもの紀行㏌浅草2025】で行われます。
振袖コーディネートのプロたちが、最新の振袖と振袖小物を使ってお客様をプロデュースいたします。
これから振袖をご検討の2027年2028年2029年ご成人の方は、お近くの店舗よりご予約いただけます。
※2026年ご成人の方は、地域によって前撮り会にお仕立てが間に合わない場合がございますのでお近くの店舗までお問い合わせください。
詳しくはこちら↓↓↓
呉服・振袖に関することならすずのきにお任せください
創業50年を越えるすずのきでは地域に密着した振袖・ママ振り・お着物をご提案させて頂きます。公式ホームページにてお着物や振袖に関する情報を随時発信しております♪
お着物や振袖・ママ振りでお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください♪
お近くの店舗を探す・ご来店予約
お住まいの都県、またはお近くの店舗をクリックしていただくと、店舗情報にジャンプします。
【関東エリア】
埼玉県 |川越|越谷|川口|たまゆう川口|
神奈川県|茅ヶ崎|大船|海老名|
千葉県 |高根台|柏|
茨城県 |日立|土浦|下妻|水戸|守谷|
東京都 |日の出|
【中部エリア】
新潟県 |上越|佐渡|
【東北エリア】
青森県 |青森|弘前|八戸|むつ|
宮城県 |佐沼|
秋田県 |大曲|
岩手県 |盛岡|一関|北上|二戸|
福島県 |郡山|